2018 夏季

他人に興味をもたず、いつもひとりで本を読んでいる高校生の「僕」。 そんな「僕」はある日、偶然『共病文庫』と記された一冊の文庫本を拾う。 それは、天真爛漫なクラスの人気者・山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった。 そこには、彼女が膵臓の病気で、余命いくばくもないことが記されていて……。 病気を隠して日常を過ごす桜良と、その秘密を知った「僕」。 ——二人の距離には、まだ名前がない。

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